無洗卵
卵の表面には「クチクラ層」という保護膜があり、雑菌の侵入を防いだり、鮮度を保つのに役立つそうです。
生まれてくる命を守るための見事な仕組みですね。
しかし、市場に流通している卵の大半は、「次亜塩素酸ナトリウム」などで綺麗に洗浄されています。
これは、鳥インフルエンザやノロウィルスや大腸菌やサルモネラ菌を死滅させるためですが、そもそも安全な飼料を食べて、ワクチンも抗生剤も使わず、平飼いで大切に育てられているニワトリなら、腸内細菌叢も健全(=多種多様な菌が共存している状態)で、その健全な腸管を通って出てくる卵のクチクラ層も健全なはず。
健全なクチクラ層に守られた黄身と白身は、かなりの確率で健全だと思います。
あと、卵の殻には、将来ヒヨコになる胚が窒息しないように、「気孔」と呼ばれる小さい穴が無数に空いています。
「この穴から、次亜塩素酸ナトリウムが中まで侵入しないか?」とも考えてしまいますし、洗浄してクチクラ層が剥がれると、雑菌の繁殖や侵入を防ぐものがなくなってしまいます。
実際、洗浄せずにクチクラ層を残した卵の方が、洗浄した卵よりも日持ちがするそうです。
洗浄話のついでに。
スーパーやコンビニで売られている便利な「カット野菜」。これも、次亜塩素酸ナトリウムのプールに何度も漬けて消毒されています。
この記事を書くにあたり色々調べてみると、厚生労働省が作成した「大量調理施設衛生管理マニュアル」には、野菜や果物は中性洗剤で洗浄し、次亜塩素酸ナトリウム等で殺菌することが推奨されているようです。
https://www.city.kashiwa.lg.jp/seikatsueisei/shiseijoho/shisei/health_hospital/mainmenu/shokuhinese/oyakudachiinfo/shodoku.html
「大量調理施設」とは、同一メニューを1回300食以上又は1日750食以上を提供する調理施設のこと。
スーパーやコンビニ以外にも、外食チェーンや企業の食堂、学校給食、病院・介護施設の食事や宅食など、当てはまるところはいくつもあると思います。
良いか悪いかは別にして、「こういう処理をされている事実」を消費者が知っておくことが肝要ですね。
ちなみに「次亜塩素酸ナトリウム」って何かというと、塩素系漂白剤やハイターやカビキラーの主成分です。食品には、食品添加物に指定さている低濃度のものを使うようです。
水道水に含まれる「塩素」もこれです。
浄水器を設置せず、水道水をそのまま飲んだり料理に使ったり、お風呂やシャワー、トイレのウォシュレットもそのまま・・・というのは、ちょっと危険ですね。
余談が長くなりました。
卵の話に戻ります。
「クチクラ層」のことを知ってから、安全な飼料を食べている「平飼い」で、且つ「洗浄していない」卵を買うようになりました。
元々、安全な飼料を食べた平飼い卵を買っていたのですが、今食べている無洗卵はそれらよりも更に美味しいです。
たまに小さな鶏の羽がついている卵もあって、鳥好きの私としては微笑ましい限り。
今日も美味しくいただきました。