小さい呼吸のエクササイズ

「この問題はどのくらい重要なのだろうか。百年経っても相変わらず人々がこの問題について議論を続けているほど重要なことなのかな」

「人生において重要と言えることなど何もない。たいていのことは、まったく取るに足りないことなのだ」(Nothing matters much. Most things do not matter at all.)

ダスカロス 著 『キリストのたとえ話』より

私たちの頭はいつも思考でいっぱいです。

その思考に感情を左右され、「今ここ」をゆっくり味わうことなく、時間に追われるように頭を働かせながら行動し、気がつけば今日が終わる。

ふと立ち止まってよく考えてみると、さっきまで頭の中にあった思考の多くは「取るに足らないこと」ばかりだったのかもしれない。

「立ち止まる」って、とても大事です。

この「立ち止まる」時のお供に、呼吸を使ったエクササイズがオススメです。

やり方は簡単で、立っても座っても、家でも職場でも電車の中でも授業中でも、いつでもどこでもおこなえます。ただし、食後すぐや飲酒の後はやめた方がいいです。

では、軽く背筋を伸ばしましょう。

最初は何も意識せず、普段の自分の呼吸の大きさやリズムを感じてみます。呼吸は吐くのも吸うのも必ず鼻でおこないます。

「スーハー、スーハー、スーハー・・・」

だいたいの感じがわかったら、呼吸を徐々に小さくしていきます。

胸やお腹が最小限にしか動かないレベルで、呼吸を小さく小さく小さくしていく。

小さい呼吸だけど、下腹部までちゃんと届かせる。

やがて「スーハー、スーハー」という呼吸の音も聞こえなくなります。

少し息苦しさを感じるぐらいまで小さくしていきましょう。

そのまま５〜１０分続けたら、普通の呼吸に戻してください。

これで終了です。

もしも途中で不安を感じたり苦しくなった場合は、無理をせず一旦通常の呼吸に戻し、状態が落ち着いてから出来る範囲で呼吸を小さくしていきましょう。

呼吸とマインドは深くつながっているので、呼吸が小さく静かになると、頭の声も小さく静かになります。

やがて、「取るに足らないこと」が「取るに足らないこと」だと気づけるようになるかもしれません。

思い出した時にいつでもやってみてください。

ちなみに、このエクササイズをすると鼻の通りも良くなるので、鼻づまりや鼻炎の方にもいいですよ。喘息や咳が出る方もお試しください。


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